
江戸の情緒が今も息づく東京・日本橋人形町の芸者新道に、天ぷらを軸とした新たな懐石料理を提供する日本料理店「汽素火(きすい)」。カウンター7席のみの空間で、全国の生産者と食卓をつなぐ新たな日本料理を提供する。
店名「汽素火(きすい)」に込めた2つの想い

5月20日(水)に開業した汽素火が目指すのは、海水と淡水が交わり豊かな生態系を育む「汽水域」のような存在だ。本来であれば別々に在る「人」「素材」「想い」を結びつけ、時と場所を超えて“今ここ”でのみ生まれる特別な価値をひと皿の上に表現する。
もう一つの想いが技術による「素材の探求」だ。なかでも天ぷらという調理法は素材が持つ未知の表情を引き出す力を秘めており、選び抜かれた食材が熱と油、そして職人の手仕事によってどのような新たな顔を見せるのか——その驚きと感動を届ける。
妥協なき「衣」の追求

汽素火の天ぷらを支える最大のこだわりは独自の工程を経て作られる「衣」にある。
厳選した国産の薄力粉は丁寧にふるいにかけた後、マイナス60℃の冷凍庫で72時間以上熟成。徹底した温度管理によって衣の粘りを抑え、素材本来の香りや風味を損なわない軽やかな食感を実現している。
また衣に合わせる卵水には、米を食べて育った鶏の「黄身の白い卵」を使用。雑味の少ないすっきりとした味わいが素材そのものの個性をより鮮明に引き立てる。こうして生まれた衣だからこそ、素材の水分や香りを逃さない低温での天ぷらが可能になるという。
汽素火を象徴する料理と素材へのこだわり

汽素火を象徴する一皿「鰯軍艦天ぷら」は、鰯が最も香り高く脂の旨みが際立つ約40℃を目安に火入れを行い、大葉と海苔で包むことで熱の入り方を穏やかにコントロール。低温でじっくり揚げることで中心にわずかなレア感を残しながら、しっとりとした食感と鮮烈な香りを引き出している。

天ぷらを揚げる油は二種類の米油と太白胡麻油をブレンドし、その日の気温や湿度・天だねによって配合を調整することで羽衣のような軽さと奥行きのある香りを実現した。

また様々な食材から引く出汁や手打ちの十割蕎麦には、新潟の雪解け水を自然ろ過した天然水「雪椿」を使用し、素材ごとの繊細な風味を余すことなく引き出している。

食事の締めくくりには、長年信頼を寄せる清澄白河の米専門店よりその時季に最も状態の良い米を厳選して仕入れ、二種類の米をそれぞれの個性に合わせて土鍋で炊き上げてご飯のお供とともに提供する。
メニューは「おまかせコース」33,000円(税・サ料込)を用意しており、ドリンクは別料金。12:00〜、17:30〜、20:30〜の完全予約制となっている。
料理を彩る、美意識が宿る手仕事の器
汽素火では器やカトラリーにも強いこだわりを持っている。

木工作家・紀平佳丈氏による温もりある木工品や、陶芸家・福島一紘氏の力強く存在感のある器を採用。また有田や唐津へ直接足を運び自らの目で選び抜いた「福泉窯」「作礼窯」などの器も使用している。

料理と器はそれぞれが主張し合うのではなく互いを引き立て合う存在として、素材や料理の表情をより豊かに映し出す器を選び一皿ごとの世界観を丁寧に構築している。
茶室を思わせる凛とした空間

茶室を思わせる凛とした空気が漂う店内は、わずか7席のカウンターのみ。主役となるカウンターには樹齢300年を超える栗の木を使用し、長い歳月を重ねた木ならではの力強さと温もりが空間に静かな存在感を与えている。

余計な装飾を削ぎ落とし木や石など自然素材の質感を活かした設えの中で、料理と真摯に向き合う時間を提供しており、料理人との距離が近いからこそ生まれる臨場感も、この空間ならではの魅力だ。カウンター越しには料理が完成へと向かう一連の所作が広がり、食材が仕上がる音や香りまでもが空間を構成する要素となっている。
料理人・部谷直希氏が描く新しい日本料理の形式

都内や横浜で和食・天ぷらの道を歩み、赤坂の割烹料理店で料理長を務めた部谷直希氏。六本木の名店で培った経験も糧に、素材が本来持つ美しさや個性を最大限に引き出す料理を追求してきた。
汽素火では既存の枠組みにとらわれない新たな日本料理の形式を目指しており、異なるものが交わることで新たな価値が生まれるという考えのもと、料理と人・素材と技術・生産者と食卓をつなぐ存在でありたいと考えているという。

汽素火で、素材と人をつなぐ新しい日本料理の形式を体験してみては。
■汽素火
住所:東京都中央区日本橋人形町 芸者新道ビル302
定休日:不定休
公式Instagram:https://www.instagram.com/kisui__cuisine
予約ページ:https://www.tablecheck.com/ja/kisui
※当記事に記載の情報はプレスリリース発表時点のもので、最新の情報は公式SNS等にて掲載
(丸本チャ子)